製薬業界にいると、社内結婚や他社のMR同士の結婚を耳にする機会もあると思います。
既にご結婚されている方はもちろんですが、これからMR同士で結婚を控えている方、将来を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、MR同士の結婚における仕事やご家庭の事情に迫ってみたいと思います。皆さんが、今後MRの仕事と家庭を両立するにあたって参考になれば幸いです。
お話を聞いたのは、ご主人もMRをしているという女性。別々の製薬メーカーに勤務し、同じエリアを担当していた時に出会ったご夫婦です。「家事や育児の分担は?」「お互いの仕事への理解は?」「どちらかが転勤の際はどうするの?」など、様々な質問にお応えいただきました。
【Q&A INDEX】
・結婚後の家事分担はどのようにしているか?
・子どもが産まれたことでの役割の変化は?
・MRとして仕事復帰を決めたタイミングは?
・土日出勤や転勤の不安をどう解消したか?
・MR同士で結婚してよかったことは?
Q:結婚後の家事分担はどのようにされていましたか。
私の場合は結婚して生活が大きく変わるということはなく、子どもが産まれるまでは独身時代とほとんど変わらない働き方をしていました。早く仕事を終えてご飯の支度をして待っていなければならないということもなかったですし、その時にできる人がやるというスタンスで、明確な役割分担も特に設けていなかったです。
夫は決して家事が得意なわけではないのですが、私がご飯を作っている間に洗濯物を畳んだりお風呂の準備をしたり、自分ができることをすすんで見つけて動いてくれたのでとても助かりました。仕事のことをお互い理解しているからこそ過度に頑張りすぎることも、どちらかに家事を押し付けるようなこともなく、協力できていたと思います。
Q:お子さんが産まれたことで、家事育児の役割分担に変化はありましたか。
結婚して10年程度は新卒で入社した製薬メーカーに勤務していたのですが、不妊治療との両立が難しくなったことから退職して専業主婦になりました。その後は第一子・第二子を出産しましたが、私が専業主婦でも夫の協力的な姿勢は変わることはありませんでした。子どもが産まれてから今まで、朝ご飯の支度や子どものお世話、寝かしつけなどもすすんでやってくれて、本当にありがたいです。
夫に気持ちよく協力してもらいたいなと思っているので、私はとにかく感謝の気持ちを伝えることを意識しています。本人に伝えることはもちろんですし、義理の両親にも夫に助けてもらっていることを素直に伝えたり、子どもたちの前でも「パパってすごいよね」「パパみたいな人と結婚しなよ」と褒めるようにしています。褒められて嫌な気持ちになる人はいませんからね(笑)。
Q:MRとして仕事復帰を決めたタイミングはいつでしたか。
専業主婦をしていた約3年の間、子どもとの日々に追われながらも、夫の働く姿を見たり仕事の話を聞いたりすることが楽しくて、「MRってやっぱりいいな」という気持ちがずっと心の中にありました。MRの仕事は10年以上続けていましたが、病院の先生方と関係性を築き、お一人おひとりの考えや人生を知ることができるのは面白かったですし、頑張れば頑張った分だけ成果に繋がり、評価として返ってくることにやりがいも感じていたのです。私自身がMRの魅力をたくさん経験していたからこそ、なるべく早く復帰したいと考えていました。
決意が固まったのは、子どもが3歳と1歳になったタイミングです。30代半ばになり、これ以上離職期間が延びると復帰は難しくなるかもしれない…という焦りがありました。夫に相談すると「やりたいならやればいいんじゃない、協力するよ」と、驚くほどすんなりと受け入れてもらえて、そこから復帰に向けて動き出しました。
Q:土日出勤や転勤など働き方の懸念点は、どう解消されましたか。
夫婦でMRとして働くとなると、夫が転勤する可能性はもちろんありますし、私が転勤になる可能性もあります。ただ、最優先事項は子育てとの両立だったので、エリアの希望を考慮してもらえる働き方かつ、18時までの勤務にしたいと思っていました。そうなるとメーカーで働くのは厳しいことがわかっていたので、コントラクトMRとしての働き方を模索していたのですが、ちょうどその時、私が希望する働き方に理解を示してくださるプロジェクトに偶然にも巡り合えたことは、とてもラッキーでした。そして、子育てと両立しながら、大好きなMRを続けていける方法が見つかったことに安堵しました。
実際にMRとして復帰してからは、仕事も子育ても精一杯頑張りたい!とボルテージがあがりすぎてしまう、そんな私の性格をよく理解し、想いを尊重してくれる夫の協力に助けられています。フィールドMRなので時々夜の講演会に参加しなければいけない日もあるのですが、その際は夫に伝えてフォローしてもらっています。我が家では家族間でスケジュールを共有できるアプリを活用して、お互いの予定を把握しサポートし合えるような工夫をしています。
Q:MR同士で結婚してよかったと感じることはありますか。
正直デメリットは一切浮かばず、よかったことしかありません。MRの仕事は朝早くから夜遅くまで勤務することもありますし、MR特有の悩みや苦労もあります。お互い大変な部分も理解し合えているからこそ思いやりを持って接することができますし、辛いことも楽しいことも共有し合えます。
子どもが産まれる前までは、夜遅くに帰ることや土日に仕事や出張が入ることもありました。ただ、夫に嫌な顔をされることは一度もありませんでしたし、「大変だね」と労いの言葉をかけてくれました。
もし他のお仕事をしている方と結婚していたら、この働き方を理解してもらうことは難しかったでしょうし、私自身も自分の仕事のスタイルやチャレンジしたいことを、我慢しながら働くことになっていたのではないかと思います。
自分のことを誰よりも理解し、応援してくれるパートナーがいることほど、心強いものはないと実感しています。
今回のご夫婦はあくまで一例にはなりますが、MRの仕事への理解があるということが家庭生活を円滑に進める上でも大きなポイントになっているのだとわかりました。
もし、「ご夫婦共にMRで今後の働き方に悩んでいる」「これから結婚・出産といったライフイベントを迎えるにあたりキャリアが不安」といった方がいらっしゃいましたら、オンラインでのキャリア相談も実施しておりますのでお気軽にご相談ください。
