【人と話すのが苦手だった私が変わったきっかけ】
ある本との出会いでNPOのボランティア活動に参加するまでに苦手を克服!

【人と話すのが苦手だった私が変わったきっかけ】<br>ある本との出会いでNPOのボランティア活動に参加するまでに苦手を克服!

多様性が叫ばれる時代において、女性のキャリア形成も多様化してきています。一人ひとりの目指す未来やライフスタイルに応じて、柔軟に、自分らしくキャリアを実現していってほしいという想いから、今回一人の女性MRにスポットを当てました!
子どもの頃から感じていた逃げ場のなさ、自分を変えるための仕事選びやある本との出会い、そしてご自身の成長やキャリアに対する想い、より良い社会を創るために取り組んでいることなど、様々なお話を語っていただきました。

<PROFILE> Nさん(30代)
異業界での豊富な営業経験を活かして、2014年に未経験からMRへと転身。MRとして成果を出しながら、最近はチームをまとめる立場にもチャレンジするなど、実現したいキャリアに向けて仕事の幅を広げています。

私が新卒で営業職を選んだ理由

私は、幼い頃から人と話すことがとても苦手でした。中学・高校時代を振り返ってみると、誰とも会話することがなかったくらい劣等感の塊でした。
当時はどこにも逃げ場のない状態。自分を変えるには早くこの環境を抜け出すしか方法はないと思い、大学進学を機に地元を出ることに。大学ではサークルやゼミなどいろいろなコミュニティーに入って新しい人間関係を構築し、自分を変えようと頑張ったことを思い出します。
そうした努力の甲斐もあり、人とコミュニケーションを取ることを克服しつつ迎えた就職活動。仕事を通してたくさんの人と出会い、できることを増やし、ステップアップすることで更に道が拓けるのではないかと考え、多くの方と関わり合う営業職を選びました。

仕事を通して多くの出会いと学びを得られた

<一社目:化学メーカーでの営業

様々なガス製品を扱っている化学メーカーに新卒で入社。営業として1年目は文化施設などを担当してひたすら関係性を築き、2年目からは建設会社や食品会社に対して新規提案を行っていました。この頃を思い返すと、学生時代には出会うことのなかった方々との新しい出会いもたくさんありましたし、いままで出来なかったことが出来るようになっていき、ステップアップしている自分を感じることが嬉しくて、とにかく会社へ行くのが毎日楽しみで仕方ありませんでした。

ただ、歴史のある会社だったので古い考え方も残っていて、上司と考えがぶつかることもありました。思うようにいかず心がモヤモヤしていた時に読んだ一冊の本「ワークライフ“アンバランス”の仕事力 (著:田島 弓子)」。そこには「目の前の仕事にどういう姿勢で取り組んでいるか、熱中できているか」が問いかけられていました。改めて自分の仕事を振り返ってみると、言動や行動で改善すべき点も少しずつ見えてきました。

それから「自分は仕事に熱中できているか?上司に歩み寄っているか?足りていないところはないか?もっと成長できる余地があるのでは?」と常に自分自身に問いかけることで状況を打開していくことができました。この本との出会いが、今の私の仕事観を形づくっていると思います。

<二社目:タオルメーカーでの営業>

ステップアップのために転職したのが、タオルメーカーでした。
企画、提案、スケジュール管理、デザイナーや生産現場の調整、納品までトータルに携わる仕事を担当することになり、営業でありながらディレクター的な立場で動いていました。クライアントからの要望を聞くだけでなく、社内や海外の工場との調整など、様々な人たちを動かしていく力が身に付きましたね。
特に海外の生産現場との調整は、文化や常識の違いから戸惑うことも少なくありませんでした。考え方の違う人たちを同じ方向へと導く難しさを感じるとともに、コミュニケーションの重要性も学びました。
ものを売るだけでなく製品の企画~生産~納品まで学べたことは貴重な経験でしたし、営業としてまた一歩成長することができました。

<三社目:MR(現職)>

入社後1年間は医療機器の営業を経験させてもらい、その後MRになりました。
今まで関わったことのない業界だったので、最初の導入研修で、さっそく苦労を味わいました。知識や用語を毎日8時間みっちり学んでテストを受けるんですが、「自分はこんなにもできないものか」と落ち込み、本当に必死でした。
知識を身に付けなければ、現場へ出ても先生と対等に話すことができません。同期が70名いて私と同じ未経験で入社した人もいたので、みんなで励まし合ったり教え合ったりしながら学んだのは良い思い出です。

今はこの仕事を通して、薬を扱うことへの社会的意義ややりがいを感じることができています。これまで深く関わりを持つことがなかった先生とのコミュニケーションは、難しさもありましたが学びも多く刺激を受けています。またMRの仕事は転勤もあるので、その都度新しい土地で新しいメンバーとの出会いがあり、関係性を築いていくことも私にとって新鮮な経験です。知らなかった方と出会い仲良くなれることの楽しさを知り、前職では得られなかった仕事の喜びや成長を実感することができています。

今後のキャリアについて思うこと

これまでは、MRとしてどれだけ先生に貢献できるかといった評価を大事にしていましたが、一度チームをまとめる立場を経験させてもらったことで私の心に変化が生まれました。チームという視点で仕事をしていくうちに会社や組織の課題が見えてきたことから、その課題を解決するポジションでチャレンジしたいという気持ちが芽生えてきました。
MRの仕事は楽しいですし、世の中の役に立てる素晴らしい仕事なので続けていきたいという想いがあります。一方で、会社をより良く変えていくために動いていきたいという想いも強くなっています。

プライベートで熱中していること

私は2年ほど前から、子どもの貧困削減を目指すNPO法人で活動を始めました。メンバーはコンサルやITなど本業を持ちながらバリバリ働いている方ばかりで、平日の夜や土日に集まって活動をしています。土日のどちらかは終日会議をしていてファシリテーターを任されることもあり、本業の仕事にも活きるスキルを身に付けられています。異業種の方と交流できる機会は貴重ですし、本気で世界を変えたいという熱い想いで取り組んでいるのでやりがいがあります。

私がこの活動を始めた理由は、生まれた環境によって力を活かすことができない子どもたちがたくさんいると感じたから。世界を見渡せば移民や難民の問題、また現代の日本においては虐待や貧困などによる事件を目にすることも増えています。
この世に生まれてきたからには、すべての子どもたちにチャンスが与えるべきなのでは?これからの未来を担っていく子どもを放っておく世の中でいいのか?そんな想いから、まずは小さなことでも自分で行動に移してみることにしました。
大きな問題ではありますが、自分の周りから一つずつ変えていけるよう、仕事と両立して今後も活動を続けていきたいと考えています。

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これまでの営業経験、そしてMRになり、ボランティアとしても活動する日々の中で、人と話すことが苦手だった私が多くの人と出会いを楽しみ、コミュニケーションも取れるようになりました。また、様々な人に認めていただける機会も増えました。
ただ、幼い頃の劣等感はあえて心の中に残したままにしています。それは、スキルやキャリアを磨き続けていくために必要な気持ちだからです。
これからも何か夢中になれるものを見つけて、自分自身を追い求め続けていきたいと思っています。


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