働く女性のホンネ Vol.1

働く女性のホンネ Vol.1

皆さま、はじめまして「MR Women’s Life」編集者の吉岡です。

これまで「MR Women’s Life」では、MR・SR 女性の多様性にフォーカスしながら、仕事への考え方やキャリア観、仕事と育児の両立などをテーマにしたインタビューコンテンツをお送りしてきましたが、これに加え、今後は編集者吉岡によるブログも投稿して参ります!

まずは編集者吉岡の簡単なご紹介から。

サイネオス・ヘルスで5年間のコントラクトMRを経験した後、本社勤務に異動しました。コントラクトMR時代には外資・内資の大手製薬企業様3社でMR業務に従事し、新薬上市の経験やプライマリー、オンコロジー、免疫と幅広い領域を経験させてもらいました。
その後、本社でMRのマネージメントに携わり、30代後半で妊娠、出産。現在は一児(6歳)の母として仕事と育児に日々邁進しています。

先日、ソニー生命から昨年発表された「女性の活躍に関する意識調査2020」を見る機会がありました。実施されたアンケートの結果にあった「専業主婦になりたい?」の回答が興味深かったため、今日は専業主婦の数の移り変わりとアンケート結果について触れてみたいと思います。

総務省統計局の調査によると、2020年の専業主婦の世帯は571万世帯、一方で共働き世帯は1,240万世帯と、共働き世代が68%を占めており、1980年頃は約65%だった専業主婦の割合が現代では逆転している状況です。

専業主婦世帯と共働き世帯 1980年~2020年
引用元:独立行政法人労働政策研究・研修機構 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html

ここから読み取れる事を想像すると、バブルが崩壊した91年に逆転現象が始まっているので、世の中の多くの女性たちが私たちも働かなきゃ!と動き出したことが背景にあったのではないでしょうか。

そんな“専業主婦”に対する女性の考えが、先述したソニー生命の「女性の活躍に関する意識調査2020」で取り上げられていました。有職女性への「本当は専業主婦になりたいか」というアンケート質問に対し、「そう思う」と回答した割合は、このソニー生命の調査開始以来、最も低い水準だったそうです。

個人的に、女性が社会でもっと活躍できれば日本はもっと強くなれるはず!と常日頃思っているので、この結果は非常に嬉しいことだと思いました。
加えて、このアンケートに注目したいポイントは、有職女性を対象とした問いとなっているため、“生活のために仕方なく働いている”というような状況の女性も少なからず含まれているはずで、そういった女性に「本当は」というワードを含めて「専業主婦になりたいか」を尋ねている点です。

この結果が過去最も低いポイントとなったということは、言い換えると仕事をする意義を自分軸で考え、社会参画をしたいと考える女性が増えてきたということなのではないかと私は捉えました。
加えて、この調査では「女性が社会で働くには不利な点が多いと思いますか」という問いへの結果も報告されています。この問いへ「そう思う」と答えた割合についても、過去5回の調査で最も低くなっていました。
この2つの結果から、少しずつではあるものの、日本も女性が参画しやすい社会に変化してきていると思いました。

実際に、2015年に国会で可決された女性活躍推進法では、働く女性が活躍するための環境づくりが推進され、特に働く女性にとっては障壁となってしまいかねない各ライフイベントにおける仕事と家庭の両立を基本原則に掲げられたことは女性の社会進出において大きなターニングポイントだったと一児の母である私自身感じています。

また、時短勤務をはじめとした就業制度の改変や職場の理解、男性の育児参加といった社会の変化は、女性の継続就業の最難所ともいうべき妊娠・出産というイベントにおいて大きな影響を与えました。世界と比較すればまだまだ数は少ないですが、妊娠しても自分の意思で“仕事を続ける”という選択ができる女性は増えてきています。

実際、私たちが関わる製薬業界でも10年前は、妊娠したら“仕事を辞める”という選択をする女性が多い印象でしたが、今は育休後に職場復帰する女性が増えていますし、10年前に40-50代の女性MRと知り合うことは稀でしたが、今は珍しい存在ではなくなっています。

とはいえ、ワーキングマザーが抱える仕事と育児の両立にはまだまだ課題は山積みである現状は否めません。“仕事を辞める”選択をしなかったとしても、両立のストレスは現代のワーキングマザーに重くのしかかっているのではないでしょうか。

子供が小さければ小さいほど、育児にかかる時間は長く仕事ができる時間は限られてしまいます。仕事は手を抜けない!でも、子育てもしっかりやらなきゃ!そう責任感強く感じる人こそストレスが大きいはずです。

冒頭、専業主婦の世帯数に触れましたが、女性活躍が進んできた現在でも専業主婦世帯はまだ571万世帯あります。この中には、こういった両立のストレス、両立が困難と考え子供に手がかからなくなるのを待っている女性も多く含まれているのではないでしょうか。

保育園の増設や民間のシッターサービス、家事代行サービスなどワーキングマザーをサポートするサービスは拡充されてきていますが、全国でこういったサービスが利用できるようになり、自治体のサポート制度やサービスが更に充実されれば、妊娠しても“仕事は続ける”選択をする女性は増えると思います。

より多くの女性が社会参画し、仕事をしながらでも安心して子供を産み、育てることのできる環境ができれば、少子化社会、労働人口の減少という社会問題も打破できるのではないでしょうか。これからの日本を強く出来るのは女性のチカラだと信じています。

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