【医療機器営業とMRを経験】
相手に寄り添った情報提供の重要性

【医療機器営業とMRを経験】<br> 相手に寄り添った情報提供の重要性

今回は、MR派遣会社に入社し、最初の配属で医療機器営業を経験。その後MRとして活躍されているNさん(30代)にインタビュー。医療機器営業を経験して感じたこと、先生との関係性構築の仕方、医療機器営業とMRの違いなどをお伺いしました!

MRに興味を持ったきっかけを教えてください。

父ががんを患い、頻繁に病院へ足を運ぶようになりました。父の病状は日々変化するので私自身も落ち着かない毎日だったのですが、治療を選択していく中で、投薬により目に見えるようにQOLが上がっていき、薬がもたらす効果を実感することができました。この経験がきっかけとなって、医療業界や製薬業界に関心を持ち始めました。

ただ、転職へのハードルは高かったですね。専門分野なので理系でないと難しいのではないか、医師と対話するうえで話が面白くないと務まらないのでは…そんな私の勝手なイメージがあり、転職は難しいと思っていました。
たまたま友人がMRをしていたので、おもいきって相談してみることに。そこで、自分のイメージは先入観であったことに気づくことができました。仕事内容はもちろん、大変なことからやりがいまで丁寧に教えてもらうことができ、チャレンジしてみようという気持ちになりました。

転職する前と後で、環境や仕事にギャップはありましたか?

これもまた私の勝手なイメージだったのですが、病院の先生はお金に余裕があってプライベートも充実している方々だと思っていました。自分とは交わることのない世界の方々だと思っていたので、最初に先生とお会いした時はとても緊張しました。
しかし、ここでも自分の先入観に気づかされることになります。実際にお会いした先生方は診療以外にもたくさんの業務を対応されていて、診察が終わられた後も患者さんのために勉強を怠りません。こんなにも忙しいのか!こんなにも勉強をしているのか!という驚きと同時にイメージが大きく変わり、先生方と対等にお話しするために私もスキルを磨かなければと強く感じました。

最初の配属先では医療機器営業としてどのようなお仕事を経験されましたか?

商材は、眼科で使われる医療機器でした。オペ中に使用される機器に関する情報を提供したり、不具合がないかを確認したりする上でも欠かせない業務です。
入社した時には、まさか自分がオペに立ち会うなんて想像もしていなかったので不安も大きかったですし、「できるのかな」というのが正直な気持ちでした。

先生の手技を隣で見せていただくことはもちろん、オペ中に先生たちがどんな会話をしているのか、患者さんの状況に合わせてどう対応しているかなども間近で見ることができました。何度も立ち会いを重ねていき、先生のことを理解していく中で距離が縮まり、信頼関係が生まれていくのは嬉しかったです。

本音を言えば、辛かったことは数知れず…。立ち会いは毎回緊張しましたし、オペの状況に合わせて臨機応変に情報提供をする難しさも痛感しました。
ただ、実際のオペ現場に関われる人はごくわずか。私自身がその一人となって、患者さんの命を救う緊張感のある場を共有できたことは、後の仕事にも活きるとても貴重な経験でしたし、大きな学びになりました。

医療機器営業とMR両方を経験して、どんな違いがありましたか?

医療機器営業の時には、「3ヶ月間は製品のパンフレットを渡さず先生との考え方を聞き出すこと」と会社に言われていました。まず大切なのが、先生の考え方や手技を深く理解すること。オペに立ち会うのもその手段の一つであり、自分の体験や先生の近くで感じたこと、先生から直接伺ったお話をもとに提案をしていくという流れでした。
また、外科の先生は余計な話をしない方が多く、短い時間の中でコンパクトに要点をまとめてご提案するという力が身に付きました。

MRのプロジェクトに配属されてきてからはまた営業方法が変わりましたが、私自身は医療機器営業での学びを活かして取り組んでいます。相手の立場や状況を考えるという点はどんな仕事でも同じ。先生の考え方やタイプに応じて、時には雑談を交えながら、症例をベースに話を展開して次の面談へとつなげていくようにしています。

私が営業をする上でこだわっているのが「お願いします!」と決して言わないこと。まずは相手に寄り添い、こちらがお願いしなくても頼っていただける関係性を築きたいと思っています。

MRを長く続けている理由はなんですか?

一つは、様々な人との出会いを楽しめるからです。勤務先が変わるたびに、新しい仲間や先生たちと出会い、関係性を深めていくことができます。私はそれがとても楽しくて、続けている理由になっています。

もう一つは、価値のある仕事だと感じているからです。薬は、患者さんにとってなくてはならないもの。薬を服用することで、病状が軽快し、時に大きな病気の予防ができ、時に病気自体はよくならないけれどもQOLが向上する。父がそうであったように、喜ぶ患者さんやその家族の姿が想像できるところに、非常に価値の高い仕事であることを実感しています。

また、大変嬉しいことに、「今までで一番信頼できるMRだ」と私に言ってくださった先生がこれまでにお2人いらっしゃいました。その時に心掛けていたのは、前職や医療機器営業の時に学んだ、モノを売るのではなく相手に寄り添うこと、相手の立場になって話をすることでした。

薬の情報提供によって、患者さんが喜び、先生も喜ぶ、その一助となれたことを、その言葉を通じて実感できたことがとても嬉しく、MRの仕事のやりがいを感じた瞬間でもありました。
人が介在して情報提供する価値を発揮できたと思いますし、相手の立場になって考え寄り添うことができれば、どんな時代でもMRは必要とされ続けていくのではないかなと考えています。

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