働く女性のホンネ Vol.8
~睡眠不足で夫婦仲悪化?~

働く女性のホンネ Vol.8 <br>~睡眠不足で夫婦仲悪化?~

皆さま、こんにちは、「MR Women’s Life」編集者の吉岡です。

前回の記事では、働くママが仕事と家庭を上手く両立していくための夫婦の役割分担について触れました。家事・育児の責任はママだけでなくパパにもあるという理解が必要だということをお伝えしましたが、今回は生活リズムの中の重要な時間である睡眠と夫婦の関係性について、面白い研究データを見つけましたのでご紹介します。

日本人は世界一睡眠不足らしい?

睡眠と夫婦の関係性の前にまずは、日本人の睡眠時間に関するこちらのデータからご紹介します。

2021年に経済協力開発機構(OECD)が行った調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分加盟30ヶ国の平均は8時間2分なので、日本は平均よりも1時間を下回っている状況であり、加盟国の中で最も短いそうです。

(引用元/OECD Gender Data Portal 2021

さらに、2020年に発表された2つの結果もご紹介します。厚生労働省によると、20歳以上の39%が1日の睡眠時間が6時間未満。そしてJPALD(日本生活習慣病予防協会)の調査・統計によると、日本の成人の20%が慢性的な不眠の傾向にあり、さらに成人の15%が日中に過剰な眠気を感じているとのことなのです。

(引用元/睡眠障害 | 生活習慣病の調査・統計 | 一般社団法人 日本生活習慣病予防協会

現代ではインターネットが普及したこともあり、サブスク動画やYouTubeなど様々な娯楽を好きな時間に楽しむことが可能となりました。コンビニやスーパーも当たり前に夜遅くまで営業していますので、夜更かししやすい環境が整っているということは一つの要因かもしれません。また、夜遅くまで残業をすることや、寝る間を惜しんで勉強に励むことを良しという日本ならではの価値観も、いまだに根強く残っていることも影響しているのではないかと考えています。

働くママさんであれば、朝から晩まで、家族のお世話に家事・仕事と動き回り、自分のリラックス時間も取っていたらゆっくり寝る時間なんて取れない!という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
私自身も同じような境遇におり、子どもを寝かせるまでは常に時間との勝負、寝静まってから溜まっていた家事を片づけたり、仕事に関わるインプットをしたり、観たかった動画を楽しんだりしていると、気づけば0時を過ぎているという日常です。

睡眠時間が短くなると、疲労が取れなくなる、免疫力が低下して風邪をひきやすくなる、生活習慣病のリスク向上、記憶力や仕事のパフォーマンスの低下…など、身体にも様々な影響を及ぼしてしまいます。
まずは自分にとって最適な睡眠時間はどのくらいかをきちんと把握し、そのための優先順位付けや周囲との連携、良質な睡眠を取るための工夫を行っていくことで、豊かな生活の実現へ一歩近づくのではないかと考えます。人生の1/3を占める睡眠だからこそ、大切にしていきたいですね。

睡眠不足になると夫婦喧嘩が増える?

そんな睡眠が、夫婦関係にも影響を与えているという面白い研究結果がこちらです。

2011年、米国ピッツバーグ大学医学部の精神医学教授であるウェンディ・トロクセル氏によって、女性の睡眠不足が夫婦喧嘩の原因になるという研究結果が発表されました。
(引用元:Dr. Wendy Troxel)

35組の健康な夫婦を10日間にわたって調査したところ、妻の睡眠時間が短かった夜の翌日に、些細なトラブルから大きな口論や喧嘩に発展してしまう可能性が高いことが分かったのです。ただし、夫が睡眠不足の場合には、口論や喧嘩へ発展する傾向は見られなかったとのことでした。

この記事を読んでくださっている皆さんの中にも、思い当たる節がある!という方がいらっしゃるかもしれません。私も、子供の授乳期はまさにこの状況でした。2~3時間ごとに起きてミルクを与えながらの細切れ睡眠によって疲労とストレスはピークに達し、夫の些細な言動・行動にもついイライラしてしまい喧嘩に発展してしまった経験があったのです。
今になって考えてみると「なぜあんなにイライラしていたのだろう、ネガティブな思考になってしまっていたのだろう」と感じますが…睡眠不足によって冷静な思考力・判断力がなくなってしまうのだと身を持って感じました。

この研究結果からわかるのは、妻が心身共に健康で穏やかな日常を過ごすためには、夫婦間での適切な役割分担と睡眠時間の確保が重要であるということです。
どちらか一方ばかりに負担がかかってしまわないように、家事や育児は夫婦できちんと協力し合えることがベストです。私は女性MRのキャリアカウンセリングを行っており子育て中の方にもお話を伺うことがあるのですが、お子さんがまだ小さい場合は、深夜の夜泣き対応やミルクを夫婦で当番制にしているというご家庭もあります。

▼共働き家庭の協力体制やご主人の育児参加についてMRにインタビューしたこちらの記事もぜひご覧ください。
二児の母が語る、共働き夫婦の子育て事情

お互いがしっかりと睡眠時間を確保できるような配慮や工夫が、安定した夫婦関係の維持にもつながっていくのではないでしょうか。

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