働く女性のホンネ Vol.7
~育児と仕事、両立の不安~

働く女性のホンネ Vol.7<br>~育児と仕事、両立の不安~

皆さま、こんにちは、「MR Women’s Life」編集者の吉岡です。

つい数年前まで、MR女性は出産前に退職するケースがほとんどでしたが、ここ数年の働き方の変化に伴い、出産後は育休を取得して復帰するケースが増えてきたことは以前のブログでもお伝えしてきました。
そのため、ママがMRという共働き世帯は依然と比べかなり増えてきているように感じます。

しかし、出産後も復職できる職種へと変化してきたとはいえ、仕事と家事・育児の両立という点では、悩みや不安、ストレスを抱えている方は多くいらっしゃるようです。
私は サイネオス・ヘルスの求人に応募されるママさんの面接や、キャリア相談の対応、社内在籍のママさん達との面談を行っているのですが、その際、多くのママさんから両立の悩みや不安をうかがいます。
これから復帰・復職する方は、まだ見えない両立という生活環境への変化に、“本当にやれる?”と何度も自問自答されているようですし、既に職場復帰されている方は、毎日が時間との闘いで、自身のことを振り返る余裕がなく“スキルやキャリアを伸ばしたい!”という復帰時の想いが薄れ、目の前の業務をこなすので精一杯になっている方がいるように感じます。

私自身もそうでした。
仕事は続けたい!まだまだスキルアップしたい!と思い職場復帰したものの、現実は毎日が時間との闘い、子どもの熱発 との闘いで、自分自身のことを振り返る余裕が全くありませんでした。
それどころか、いま当時を思い返そうとしても、復帰から暫くの記憶が断片的になっていて、どう日々を乗り切っていたのか、子どもとどんなやり取りをしていたのかを上手く思い出せないところがあるほどです。
逆に、いつも時計を見ては焦っていたことや、子どもの熱発の心配など、毎日焦りと不安を感じていた、という感覚的な記憶だけが残っている、という切ない状態です。
そんな自身の経験からも、ママさんたちが感じる“悩み、不安”には非常に共感します。

筆者の上記の私自身の経験からは5年 ほどが経過しましたが、その間、社会では待機児童の減少や、国が施行した産後パパ育休制度も充実され男性の積極的家事・育児参画が叫ばれるようになりました。
こういった社会の変化を受けて、うちはパパも家事・育児に参加しています!というご家庭も増えたと思います。
一方で、先日見かけた新聞記事では、男性の家事・育児の時間は年々増加しているものの、男女での比較では女性は男性の約4倍の時間を家事・育児に費やしている、と紹介されていました。
徐々にパパの家事・育児参加が進んではいるものの、悩みや不安、ストレスから解放されたママがどれくらい増えたでしょうか。パパもママも同等に働き、同等に家事・育児を担うという状況になるにはもう少し変化が必要なように思います。

そこで面談したママさんには、私自身の経験も話しつつ、悩み・不安・ストレスを抱え込まないために「家事と育児のやりくりの責任をひとりで抱え込まないで!」とお伝えしています。
ママさんたちと面談していていつも感じるのですが、女性は“母親の私がなんとかしないと!”とひとりで責任を背負ってしまう傾向があるように思います。その責任感の高さが、両立という側面においてママの不安を煽り、視野を狭くしてしまっていると思うのです。
家事・育児において、ママが強い責任感を抱えてしまうのは、実際にお産をしたママは“私が産んだ”という実感を伴うからでしょうか。
パパよりもママの方が長く育休を取得することで、長く家にいるのはママ、という現実が復帰後の責任感を生ませてしまうのでしょうか。逆にそういったことがパパにおこらないために、パパの責任感が薄いのか。
原因は様々考えられますが、結果的に、パパ、ママ双方が無意識のうちに家事・育児の責任者はママだよね、となっているように感じます。
伝統的な家族構成の中では、その無意識の責任感も理にかなっていたのでしょうが、いまは夫婦が同等に仕事で躍進できる時代です。まずは、“夫婦で働く”という選択する際に、仕事でも家庭でも、お互いが同じ責任を持っているということをしっかりと夫婦で再確認し、ママ自身の“私がやらなきゃ!”という無意識に生まれる責任感を取り払って、家事・育児の意思決定にはきちんとパパを入れるということが大事だと思います。

責任という点では、家事の分担方法にも一工夫できる余地があるかもしれません。
前述の“うちはパパも家事・育児に参加しています!”いというご家庭でも、パパの役割を詳しく聞いてみると「お風呂掃除担当」や「食器洗い」、「子供の朝の登園担当」といったひとつひとつの作業、事柄で役割を分担されているご家庭が多いように思います。
ただこれでは、例えば浴槽洗浄だけ、食器洗いだけ、といったひとつの作業が終われば作業完了となってしまい、その作業に関連する家事には気が付かず、いわゆる“名もない家事”がママの肩にのしかかってしまいます。
そこで、こんな方法はいかがでしょうか。
たとえば、“お風呂場の掃除担当”ではなく、“お風呂場全体を清潔に保つ責任者”、食器洗いでは“食後のキッチン全体をきれいに保つ責任者”というように、ひとつの作業として捉えず、場所単位で責任を持つ、という分担方法です。
そうすれば、お風呂では見えない排水溝や天井の汚れ、パッキン部のカビとりも作業のひとつに入りますし“名もない家事”もしっかりと分担できるかもしれません。
また、場所別の方法以外にも、時間軸で役割分担してみるのもおすすめです。
ぜひ、それぞれのご家庭の生活スタイルにあう役割分担の方法を探してみてください。

今は共働き、女性の社会進出の過渡期だと思います。
家事・育児の両立では、いままさに多くのママさんたちが日々悪戦苦闘していると思いますが、私たち自身が古い価値観を捨て、現代社会にあう考えや新しいアイデアを取り入れて、次の世代のママさん達に良い形の共働き家庭を受け継いでいけるといいですね。

この記事のタイトルとURLをコピーする